唐突ですがJuliaを使って信頼性工学の勉強をしていきます。
今回参考にした書籍は以下です。
- 作者:福井 泰好
- 発売日: 2016/07/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
ワイブル分布とは
ワイブル分布は1939年にW.Weibullが金属材料の疲労研究において「脆性材料の破壊は、材料中に分布する互いに独立な欠陥の存在が原因となって起こる」と考察し、提案した分布である。故障曲線に柔軟に適用できる性質があるので信頼性解析に広く用いられている。
とあります(上記参考書籍)。信頼性解析にワイブル分布が使われる理由は、この分布が以下のような特徴を持っているからです。
- ワイブル分布の出自(脆性材料の破壊、最弱リンクモデルとも言われます)が、装置・部品の寿命に関連がある
- ワイブル分布はパラメーターが多いため様々な分布を表現することができる。
実際、機械装置の故障率を表したグラフとして著名なものに『バスタブ曲線』がありますが、このバスタブ曲線の3つの期間『初期故障』『偶発故障』『摩耗故障』はすべてワイブル分布で表現することができます。
機械の故障率を図示した「バスタブ曲線」について |パーソルテクノロジースタッフのエンジニア派遣
ワイブル分布のプロット
ワイブル分布の確率密度fは以下のように与えられます。 $$ f = \frac{\alpha}{\beta} \left( \frac{x}{\alpha}\right)^{\beta-1} e^{-(x/\alpha)^{\beta}} $$
また、故障率λは以下のようになります。
$$ \lambda = \frac{\beta}{\alpha} \left( \frac{x}{\alpha} \right)^{\beta - 1} $$
これをJuliaでプロットしてみます。
using Plots function weibullf(α,β,x) (α/β)*(x/α)^(β-1) * exp(-1(x/α)^β); end function weibullλ(α,β,x) (β/α)*(x/α)^(β-1); end x = 1:0.1:4; plot(x,weibullf.(1,0.5,x),xlabel="time",ylabel="Probability density") plot(x,weibullλ.(1,0.5,x),xlabel="time",ylabel="failure rate")
以下はそれぞれこのプログラムを実行したとき(α=1.0, β=0.5)のワイブル分布の確率密度と故障率になります。
次回はワイブル分布のパラメーターを振ったりする予定です。
短いですが今回はここまでにします。