3月15日にIPA(情報処理推進機構)から『成功事例に学ぶシステムズエンジニアリング』というPDFが公開されました。150ページ超ある大作で、下記URLからダウンロードできます。
https://www.ipa.go.jp/sec/reports/20180315.html
IPAは昨年にもシステムズエンジニアリングに関するドキュメントを発行しています。
『経営者および開発者のための「システムズエンジニアリング導入の薦め」』
https://www.ipa.go.jp/sec/reports/20170329.html
この調子で行けば、システムズエンジニアリングが今後流行するかもしれませんね!
とりあえず『成功事例に学ぶシステムズエンジニアリング』を読んでみました。
………なんとなくですが、全体的にちょっとこじつけ臭いかなと感じました。システムズエンジニアリングを活用したプロジェクトの事例について解説しているのですが、プロジェクトの過程を言葉で説明しているだけで、プロジェクトの途中の成果物であるドキュメント類の紹介が少ない(パワポっぽい絵がいくつか出てくるだけ)。また使用したツールについての紹介もほぼありませんでした。プロジェクトの進行に関して筆者が選んだ「言葉」で説明し、その言葉がシステムズエンジニアリングのキーワードに合致するから、この事例はシステムズエンジニアリングを活用してました……と説明されているような印象でした(僕の説明も何言ってるかわからないかもしれません)。そもそもシステムズエンジニアリング自体は抽象的で、かつその技法の一つ一つはある意味仕事を上手にこなしていく上で「当たり前」のものですから、プロジェクトの中でその技法が見られたところでそれが本当に知識体系としてのシステムズエンジニアリングを意識して実施されたものなのかは正直わからないのではないかと思います。ちなみにSysMLやUMLのダイアグラムは事例の中には何一つ出てきませんでした。
システムズエンジニアリングとは何か……どう活用すれば良いのか……について、逆に疑問が増えてしまったかもしれません。